学生との抄読会。やはり身近な話題がよいかなということで抗インフルエンザ薬の効果について。一般的に、発症48時間以内でなければ意味はないというのは、医療者の中では広まっていますが、じゃあその効果はどういうものなのか?
今回の題材はこれにしました。ランダム化比較試験は何本か読んだので、メタアナリシスに挑戦。いくつかメタアナリシスあったうち、大学からアクセス可能なものを選択。
Efficacy and safety of oseltamivir in treatment of acute influenza: a randomised controlled trial. Neuraminidase Inhibitor Flu Treatment Investigator Group.
Nicholson KG, et al. Lancet. 2000 May 27;355(9218):1845-50. PMID: 10866439
チェックポイントはざっと飛ばして、Figure 5に注目。
だいたい35時間ぐらい、症状消失までの期間が身近くなるのか。
おおざっぱにいえば、1-2日早く治るぐらい。
インフルエンザは国によっては病院にいかずに自宅で治すところもある。伝聞なので正直、気になる方は調べて下さい。
日本で病院にいくメリットは、解熱薬と抗インフルエンザ薬がもらえること。(解熱鎮痛薬は薬局でも手に入ることを考えると、抗インフルエンザ薬がもらえる点ぐらいか)
デメリットは、個人としては初診料や処方量などの医療費がかかること。薬の副作用(ほとんどゼロでしょうが)。個人以外としては、インフルエンザが周囲にばらまかれること。
若い人だと、時々、抗インフルエンザ薬を処方せずに様子みたいという方もいるので、どの程度のメリット・デメリットなのかは知っておいて損はないかなと思ったので、自分にとっても知識の確認になった。なるほど。