2013年8月10日土曜日

慢性扁桃炎に対する扁桃摘出術の適応は年3回以上の扁桃炎、が通説だと思うのですが、咽頭炎に対してはどうだろう・・・という論文。


Short-term outcomes of tonsillectomy in adult patients with recurrent pharyngitis: a randomized controlled trial.Koskenkorva T, et al. CMAJ. 2013;185(8):E331-6.

Background:
咽頭炎に対する扁桃摘出術の効果は、成人においてエビデンスは不十分であり、年3回以上繰り返す咽頭炎に対する扁桃摘出術の効果を検討した。
Methods:
年3回以上、病院に咽頭炎で受診した患者を対象。
ランダム化比較試験で、扁桃摘出術をした場合と、しなかった場合で咽頭炎の頻度を、5ヶ月間の観察期間で比較。
Outcome:
CRP 4.0mg/dl以上の咽頭炎の頻度は、両群で差がなかった。
全咽頭炎の頻度は扁桃摘出をした群で4%、しなかった群で43%。


一般的に咽頭炎に関しては扁桃摘出術をしないと思ってたので、扁桃摘出術をして全咽頭炎が減ったのは意外。
ただ、観察期間は5ヶ月だけなのでseasonal biasはかかる。できれば1年間の観察期間をみたいとこだけど、control群も5ヶ月後に扁桃摘出術をしてるので、長期成績はわからない。
今回の対象が扁桃にも関わるような咽頭炎患者を対象にしているので、いわゆる咽頭炎患者を対象としていないので、その辺も悩ましい。
もう少し追試が欲しいとこです。




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