■科研費申請の際の業績水増し
科研費での業績水増し問題。朝日新聞デジタルから、慈恵医大の問題。こういう発想はなかった、ってかこういうことやる人いるんですね。関連記事をみてみると同様の不正が慈恵医大で10年前にもあって、5億円の返還命令があったようですが・・・。慈恵医大の内科医、科研費不正申請か 研究業績を粉飾?
朝日新聞デジタル 4月20日(日)11時23分配信東京慈恵医科大の内科医が、国の科学研究費補助金(科研費)を申請する際、研究業績を偽って申告していた疑いがあることがわかった。大学は調査委員会を設けて事実関係を調べている。文部科学省などによると、科研費の申請書で、研究業績として論文を記載する部分に、他人の論文を自らが執筆に加わった論文だと記載していた。名前の英文表記が同じ論文を自分の業績のようにみせかけ、執筆論文だと記載していた。例えば「朝日太郎」だとすると、「T.Asahi」と記された「朝日敏男」や「朝日哲夫」といった名前の研究者の論文を自分の論文としていた。同様の手法を使っていた研究者が同大に複数いるとみられるという。慈恵医大によると、学内でうわさとなり、昨年12月に調査委員会を設置して、詳細を調べ始めた。
これなら業績増やせるわーと思ったけど(ていうか、よくやると思う)、そういえば同大同学部に英語表記一緒の教官いたな。学部時代に教室配属でふらふらしてた教室とよく共同研究している先生だったので、あれなら多分ばれない。まあ、学内メールが時々間違えて届いてすごい不便だったのを覚えているが、、、
■ギフトオーサーシップの問題
業績の粉飾という点ではギフトオーサーシップの問題も。STAP細胞の関連で、実際の論文への貢献がそれほどでもないにも関わらず、著者に入っていた問題。大きなプロジェクトの終わりにネイチャーの論文がないと恥ずかしいから無理矢理著者にいれてもらう、新しいプロジェクトの募集にあたって論文に名前入れてもらって業績を積み増しする、、、みたいなのはよくあるんでしょう。基礎研究なら実験に手を動かしたかが一つの基準だと思いますが、手を動かすのはどのくらいからが著者の基準なのか。臨床研究で自分たちの臨床データを使用する場合に誰が著者になるのか。自分自身、論文を書く際にどこまで著者にするのか悩みます、研究の本質としてはどうでもよいことなのですが。特に自分自身が研究の責任を負える立場にいない時は面倒ですね。下記の論文はオーサーシップの問題を扱っていて勉強になります。
オーサーシップの考えを変える時だ 山崎茂明 情報管理Vol. 56 (2013) No. 9 P 636-639
https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/56/9/56_636/_html/-char/ja/
オーサーシップを扱う論文自体は1990年台に増えてるようで、このころから問題が増えたんでしょうか。オーサーシップのあり方は人によって意見が異なるし、すっきりしてくれればいいなーと思います。まあ難しいでしょうけど
■ギフトオーサーシップ