2014年4月20日日曜日

Gift Authorship

■科研費申請の際の業績水増し

科研費での業績水増し問題。朝日新聞デジタルから、慈恵医大の問題。こういう発想はなかった、ってかこういうことやる人いるんですね。関連記事をみてみると同様の不正が慈恵医大で10年前にもあって、5億円の返還命令があったようですが・・・。

慈恵医大の内科医、科研費不正申請か 研究業績を粉飾?
朝日新聞デジタル 4月20日(日)11時23分配信東京慈恵医科大の内科医が、国の科学研究費補助金(科研費)を申請する際、研究業績を偽って申告していた疑いがあることがわかった。大学は調査委員会を設けて事実関係を調べている。文部科学省などによると、科研費の申請書で、研究業績として論文を記載する部分に、他人の論文を自らが執筆に加わった論文だと記載していた。名前の英文表記が同じ論文を自分の業績のようにみせかけ、執筆論文だと記載していた。例えば「朝日太郎」だとすると、「T.Asahi」と記された「朝日敏男」や「朝日哲夫」といった名前の研究者の論文を自分の論文としていた。同様の手法を使っていた研究者が同大に複数いるとみられるという。慈恵医大によると、学内でうわさとなり、昨年12月に調査委員会を設置して、詳細を調べ始めた。


これなら業績増やせるわーと思ったけど(ていうか、よくやると思う)、そういえば同大同学部に英語表記一緒の教官いたな。学部時代に教室配属でふらふらしてた教室とよく共同研究している先生だったので、あれなら多分ばれない。まあ、学内メールが時々間違えて届いてすごい不便だったのを覚えているが、、、


■ギフトオーサーシップの問題

業績の粉飾という点ではギフトオーサーシップの問題も。STAP細胞の関連で、実際の論文への貢献がそれほどでもないにも関わらず、著者に入っていた問題。大きなプロジェクトの終わりにネイチャーの論文がないと恥ずかしいから無理矢理著者にいれてもらう、新しいプロジェクトの募集にあたって論文に名前入れてもらって業績を積み増しする、、、みたいなのはよくあるんでしょう。

基礎研究なら実験に手を動かしたかが一つの基準だと思いますが、手を動かすのはどのくらいからが著者の基準なのか。臨床研究で自分たちの臨床データを使用する場合に誰が著者になるのか。自分自身、論文を書く際にどこまで著者にするのか悩みます、研究の本質としてはどうでもよいことなのですが。特に自分自身が研究の責任を負える立場にいない時は面倒ですね。下記の論文はオーサーシップの問題を扱っていて勉強になります。


 オーサーシップの考えを変える時だ 山崎茂明 情報管理Vol. 56 (2013) No. 9 P 636-639
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/56/9/56_636/_html/-char/ja/

オーサーシップを扱う論文自体は1990年台に増えてるようで、このころから問題が増えたんでしょうか。オーサーシップのあり方は人によって意見が異なるし、すっきりしてくれればいいなーと思います。まあ難しいでしょうけど
■ギフトオーサーシップ


2014年4月19日土曜日

2014年度 EBM勉強会 at 愛大

臨床研究の論文を継続的によむ会、今年も継続することに。昨年度の参加者が全員脱落せず、続くのは嬉しいことです。

臨床現場においては、、、
検査をするのかどうか、検査をどうよむか、その結果病気があるか分かったときに治療するかどうか、その後どのように経過をおっていくのかといった様々な決断を迫られる事になります。
例えば治療において●●という治療法をするかどうか決断においては、その治療がどの程度効くか知る必要があります。コストは●●、治療効果は●●と分かった上で、最終的に治療をするかどうかは医療者と患者がその他の要因をふまえて判断することになりますが、”どのくらいのコストなのか” ”効果はどのくらいなのか” ということをより正確に知っておく必要があります。

そのためには治療効果を論じた過去の報告を読み解く必要があるし、また自分たちの経験をまとめる上でもより正確にまとめるためのスベを身につけておく必要があります。この勉強会では、忙しい臨床の中で(学生は部活に試験に忙しいし)、どうやって簡単に論文を読み、臨床判断の上で必要な情報を手に入れるかどうかを身につける事を目的にしています。



20140408 EBMに基づく判断 for 愛媛大学 from Takashi Fujiwara

間違った内容あったらすみません、、、

2014年4月1日火曜日

2014年度 EBM勉強会 at 愛大

継続的に勉強会を続けると変化も生じるもんだな。2年前に大学戻ってきてから学生と論文読むようになって、CASP-Japanの形式にそって、ある医療判断を求められるシチュエーションの中で、論文を読んで医療決断をしてもらう。
もちろん、医療判断するにあたって一つの論文だけでは十分な判断は難しく、ガイドライン読んだり、システマティックレビュー読んだり、二次資料(UpToDateやDynaMedなど)読んだりしないと決断は難しい。
ただ、学生が論文を読む時間は随分短くなったし(論文に慣れたし)、学生自身が読みたい論文を自分たちで見つけるようにもなった。年度が変わると卒業するメンバーもいるし、またメンバーは変わるのだけど、今年はチラシまで作ってくれたみたい。さて今年はどうなるか、やっぱ英語の論文って学生からしてみると抵抗あるみたいだけど、脱落率50%ぐらいで継続できるといいなぁ。



初回のシナリオ。CAST studyをちょっとアレンジ。True endpointとSurrogate endpointを扱うにはよく使われる古典的な論文ですが、やっぱり学生とかにも分かりやすいテーマなので選んじゃいますね。

 Preliminary report: effect of encainide and flecainide on mortality in a randomized trial of arrhythmia suppression after myocardial infarction. 
 The Cardiac Arrhythmia Suppression Trial (CAST) Investigators.
 N Engl J Med. 1989 Aug 10;321(6):406-12.