2013年5月19日日曜日

マダニ?

知っていると、見たことがあると、治したことがある大違い。
少し前に(2013年2月ぐらい?)に話題になったダニ感染。

ダニは皮膚にしっかり食い込んでるので、頭近くを鑷子で把持して、ゆっくり引っ張って取り除く。ダニの頭がつぶれたり、ねじったりするとややこしくなるよう。表皮切開・皮膚ごと除去したってブログの報告も。


重症血小板減少症候群はダニ咬傷(?)後、1〜2週間の潜伏期で発症。
症状は
 原因不明の発熱
 消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が中心です。
が中心で、時々
 頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)
 リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)
なども生じるみたいです。

ダニをとって1−2週で上記症状があれば、受診してもらったほうがよさそうです。



2013年5月14日火曜日

CAST study @ 愛大、学生EBM

治療薬の効果って何?
治療効果って何?
その疑問に応えるのに、よく使用・引用されるCAST study
Cardiac Arrhythmia Suppression Trial)を今回は読んでみました。
1980年代に、心筋梗塞後の心室性不整脈があると死亡率が高いことは分かっていました。病態生理から、じゃあ不整脈をなくせばいいんじゃない!?ってことで抗不整脈薬が使用され、実際、抗不整脈薬により不整脈は抑制されていたようです。



ところで、抗不整脈薬の目的って何?
不整脈をなくすこと?
それとも、不整脈による死亡を減らすこと?

1989年に報告されたCAST studyは、抗不整脈薬(当時使用されたflecainidem、encainide)は不整脈は減らすけど、死亡率は上昇させてしまう、というショッキングなRCTでした。この論文以降、不整脈対策の治療において治療効果の判定をする場合、「不整脈の減少」を掲げることに慎重にならざるを得なくなりました。

Preliminary report: effect of encainide and flecainide on mortality in randomized trial of arrhythmia suppression after myocardial infarction. The Cardiac Arrhythmia Suppression Trial (CAST) Investigators.
NEJM 1989 ;321:406-412

よくEBM関連の記事で取り上げられるので、内容は知っていたのですが、実際に一度は読まないとなーと思ったのですが、ランダム化の仕方やブラインド方法など、厳密に記載されていて、1980年代には、こんなちゃんとした臨床試験が既にあったのね・・・とちょっとショックでした。

現在は不整脈を減らす方法として、埋め込み型除細動器が一般的であり、それにより不整脈を減らし、死亡率が低下してるようです。治療の効果を判定する上では、治療効果の判定は何ですべきか?を明確にしないと、思わぬ落とし穴にはまるみたいです。

2013年5月5日日曜日

6/1-2の題材

6月1−2日のEBMワークショップ in 愛媛大学で使用する論文を探しています。

論文の批判的吟味を予定していて、治療効果に関するヤツを探してます。ランダム化比較試験、またはランダム化比較試験のメタアナリシスでどれを使うか・・・。愛媛大学医学部で開催するので、医学部学生〜研修医が一番のターゲットかなと思うので、できればランダム化試験がいいなぁと。

最新論文を読んで吟味ってのがEBMらしくない?

なんて。

ってことで、比較的有名な雑誌で、最近で、かつランダム化試験をばばっと眺めますが・・・

  検査オーダー時に、検査の値段を提示すると検査施行率が減るか?(JAMA)

 Impact of Providing Fee Data on Laboratory Test Ordering: A Controlled Clinical Trial.
 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23588900

医療の質とかが気になっている、最近の自分の趣向が入ってそうです。
最初に読むランダム化比較試験にしては、ちょっと分かりにくいか・・・。

 糞便注入療法は反復性の偽膜性腸炎を減らす(NEJM)
 Duodenal infusion of donor feces for recurrent Clostridium difficile.
 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23323867

このあたりは、治療内容自体もインパクトはあるし、偽膜性腸炎自体も
学生や研修医に(比較的)なじみがあるかも。

 検査オーダー時に、検査の値段を提示すると検査施行率が減るか?(JAMA)
 Impact of Providing Fee Data on Laboratory Test Ordering: A Controlled Clinical Trial.
 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23588900

この論文も面白そうです。ちょっと話題になったし。
今回お呼びする講師の先生が、他のワークショップで使用されてるのがネック。