2014年1月31日金曜日

ラピアクタ(インフルエンザの点滴治療)CM

2013年12月からシオノギ製薬による「インフルエンザの早期治療キャンペーン」がスタート。その中でテレビCM、ウェブコンテンツの中で
● インフルエンザは早期に治療した方がよいよ、だから受診しましょう
● 飲み薬、吸入薬に加えて点滴薬もできたよ、病院で治療がすむから副作用も安心
的な内容があり、医療関係者からこのキャンペーンの問題が指摘されてました。




● アピタル 「感染症は国境を越えて」2014年1月15日記事
 不誠実な製薬会社の宣伝キャンペーン

● 尾木ママのインフルエンザ治療薬コマーシャルについて一言いいたい。

● EARLの医学ノート
 塩野義製薬のインフルエンザの啓蒙CM・サイトについて

確かにインフルエンザ自体は早期に抗インフルエンザ薬(タミフル、イナビルなどなど)を使用した方が効果があるとされます。発症48時間以降に薬を飲んでも、飲まなかった場合と比較して症状が早く治ったりしない。

ただ、そもそもインフルエンザ自体が自然に治る病気ですし、必ずしも治療が必要なわけではありません。タミフル自体も例えば20年前にはなかったわけで、そのころは自宅療養で治していた病気です。

抗インフルエンザ薬を過剰に使用することは、抗インフルエンザ薬に対する耐性ウイルスを生じかねず、できればインフルエンザで重症化した人のために耐性ウイルスを作らずにおきたい。
それに点滴をするということは病院に30分〜1時間ぐらいは滞在する必要があります、インフルエンザに罹患していて周囲の人にインフルエンザをうつしかねない患者を。飲み薬が飲めたり、吸入薬が使用できたりする状況で、点滴を使用する選択肢は現実的にはないんですよね、、、

暇だったので大学の学生とムービー作成。まあ制作時間 "ある日の午後" だけにしてはまあよくできたと思う。こっちはまあまあ真面目版。

こっちは笑いを取りたかった版。

2014年1月9日木曜日

Memo

長く続くブログは「自分」が最大の読者
人気の出るブログは「読者」が読者

「テーマを絞る」「有意義なことだけ書く」とかにこだわらないで
だらだら好きなように続ける。低燃費でいかに続けられるか。
(なんか残ったらラッキー)

自己実現系ブログに影響うけて、考え方がぶれて継続できなくなる&更新が止まるのはドンマイ。
そもそも更新するのがメンドイ派なのでほとんど記事がないけど。自分のためと思わなければ、こんなくだらないことは書けないっすよねー的に。

学生とのシナリオは将来の自分へのメモだけど、オープンにしていることで、デメリットはあるか?あんな記事で臨床判断へ影響することはないし、よしとする。以上

2014年1月7日火曜日

治療中止の判断 と 外科医

多分Dr.内野の文献紹介で見つけた論文記事だったと思うけど・・・。いつか読もうと思ってTo Do Listにあるのにずっとあるので、備忘録として。

Schwarze ML, Redmann AJ, Brasel KJ, et al.
The role of surgeon error in withdrawal of postoperative life support. Ann Surg. 2012 Jul;256(1):10-5. PubMed PMID: 22584696.


患者が治療中止を希望した時の外科医の対応について検討。High riskなオペしてる科の術者が対象みたい。回答率56%程度。63%で患者の希望に沿わないとの回答。条件をいくつか設定しているみたいだけど

 ● 術者のミスだと承諾しがたい(44% → 33%)
 ● 予定手術だと承諾しがたい(41% → 33%)
 ● あとは本文読まないとですが、若い外科医の方が承諾しやすいみたい。

ふーん。

心情的には同意する感じ。

まあでも、治療の中止の決断が何に影響されてもよいのかどうかは、難しいなと最近思う。EBMの実践って意味では、clinical decisionにおいていくつかのfactorがあって、


こんな感じのファクター(あと周囲の環境など)に基づいてdecision makingしていくわけだけど。治療を中止する、という設定については、もちろん中止に伴うメリット・デメリットがあって、どこまでのデメリットを許容するかは難しい。特に医療費・コストのために治療中止を選択する場合は、恐ろしいなとも思う。命の平等とか、医療中止に伴う訴訟問題とか・・・。

上記ブログに紹介あったけど、この文献の最初に書いてある言葉。

When the patient of an internist dies, his colleagues ask, “What happened?”
When the patient of a surgeon dies, his colleagues ask, “What did you do?”
ーCharles Bosk, Forgive and Remember


ま、そうだろうね。頑張りましょう。(Low risk surgenですけどね)

インフルエンザと心血管イベント

学生との抄読会。本日のお題は、インフルエンザウイルスの感染は、心血管イベントのリスクファクター?誘因?になりうるかどうか調べたメタアナリシス。一時期話題になっていたのを、学生が読みたいということでセレクト。
情報感度の高い学生っているもんですね、当たり前かもですけど。

論文はJAMAよりUdell JA, et al.
Association between influenza vaccination and cardiovascular outcomes in high-risk patients: a meta-analysis. JAMA. 2013;310:1711-20. PMID 24150467


インフルエンザワクチンの効果を比較したRCTをメタアナリシスした論文。

確かにインフルエンザワクチンを心血管イベントのハイリスク患者にうつと、イベントは7割程度まで減弱。ふーん。イベントは複合エンドポイントなので個別の結果は、規模の大きなランダム化比較試験などで評価しないと分からないけど、意外と減るもんだな。



2014年1月5日日曜日

診療ガイドラインGRADEシステム

ここ20年ぐらいでランダム化比較試験を含めた臨床試験は、バイアスを省きより一般化された事象を精確に導きだすため、標準化が進んでいると思う。その中で、診療ガイドラインについても、その開発において厳格なアプローチを用いて標準化する流れがある。

正直なところ患者への診療において参考になる文献の量はハンパなく多い。ガイドラインすらも量産される状態で、自分が関与しそうなガイドラインを日本語・英語で全部カバーするのは結構厳しい。そしてカバーしたとしてすぐにガイドラインが更新されて、また泣く泣く知識をアップデートする。(まあ必要なんですけどね)

できれば標準的なガイドライン作成ツールがあったらいいなということで、GRADE systemというのができたんだろうなと思っています。

で、学生向けに作ったGRADE systemのスライド。
GRADE systemを使用したメタアナリシスなど読んで、あまり違和感はないんですけど、これを作るまでのいろいろな苦労があるんでしょうね。



*詳しくは、相原内科医院のHP内にあるGRADEのページ、もしくは「診療ガイドラインのためのGRADEシステム(凸版メディア)」などを参照下さい。


2014年1月3日金曜日

LaRa 2nd で使用したヤツ

臨床研究って面白いですよねー?
個人的にはすごく面白いと思っています。臨床研究。

論文を書く時よりも、自分の疑問を整理して、その疑問を解決するために臨床研究を行う。その疑問が、多くの人にとって疑問になるならば、研究をちゃんと論文にして、みんなに共有する。

自分の頭の中と、手元のデータで 自分用に研究してるのは楽しい。
研究が論文になって多くの人に読まれて活用されるともっと面白い。


じゃあ、この楽しさは、どうやれば共有できるか?


過去の記事だと「ちょっと嬉しかったこと」「続・幸せな気分になれる臨床研究のすすめ」などに書いてますが・・・

自分にとっての研究は、学部生時代に基礎教室にお邪魔させて頂いて、研究&論文を書いたってのがはじめのスタートでした。1〜3年まで生理学教室、3〜4年に耳鼻科学教室に所属し、培養細胞とスナネズミと戯れてたと思います。

大学4−5年になって、マッシー池田のRoad to BMJを読んで、基礎研究でなくても日常診療の疑問がトップジャーナルにちゃんと掲載されるのをみて、へー、臨床研究すげーなって思って、池田先生らの指導をうけて実際に臨床研究もやってみました。

これまでにいくつかの研究をやりましたが、自分自身も未だにlearnerであり、研究手法を学ぶ必要があります。それとは別に、今度はEducatorとしてもありたいなと。今、学生と論文読んでますが、次のステップとしては一緒に研究ができればいいなとも思う。じゃあどうやって研究手法(投稿の仕方も含めて)を伝えていくか、その面白さをどう伝えるか、となると、やっぱ難しいと悩みます。

ちょうど、6年生の時に、臨床研究のすすめみたいなのを、学生ACLSのメンバ向けにやったのが残ってたので掘り起こし。自分ってこんなこと考えてたいのねー。こんなスライドは今となっては作れないな、、、