診断Diagnostic accuracy関連で学生用にと思ったが、、、
感度特異度の話って受けねーなー。
それに、感度特異度の論文を、医者になってから原著で読む機会ってあまりないような気がする。それがよいかどうかは別として。
チェックポイントとしてはSTARD、
STAndards for Reporting of Diagnostic accuracy study.
今回選んだ題材は、TIAの予測のためのABCD scoreに関する論文。
研修医になったら必ず知ることになるABCDスコアですが、その信頼性はどうなのか調べたもの。・・・なんですが、学生にとっては身近じゃないよな。ちょっと反省
*イヤーノートにABCDスコアの記載がありますが、、
Prospective validation of the ABCD2 score for patients in the emergency department with transient ischemic attack.
Perry JJ, CMAJ. 2011, 12;183:1137-45. PMID: 21646462
選んだものの、あまりのしょぼいROCカーブに事前勉強がうせてしまった。
ABCD scoreは意外と診断特性よくないのか?
自分の過去の知識と違う論文なので、もう少し関連論文読まないと血肉にはならない。
2012年12月20日木曜日
2012年11月29日木曜日
学生と接点ができる
今年度の途中より職場が大学に移る。大学院生でもあるので、半分研究、半分臨床みたいな感じ。ってもほとんど臨床っていったほうが正しいか?
大学に戻って新鮮なことは、学生と接点があること。当たり前だけど、市中病院では臨床ばっかで、学生は就職活動にくる学生だけなので、1−2日の付き合い。
大学に戻って一番新鮮ってかショックなのはポリクリ生の相手です。当時、医学部5年生の時は、担当の先生がなかなかつかまらなくて、レポート書いてもチェックがもらえなかったり、病棟実習で放置だったり(もちろん、みっちり指導の科もあったり、放置されたほうが気楽だったり・・・)。自分の中ではあまり学生の時から成長してない?時間を実感しない?ので、自分が逆に教える立場になったことは、ちょっと笑える。
最近は論文の読み方をレクチャーする方針。
倉敷では研修医同士で論文を隔週で読んでましたが(PICOをたてて、ランダム化比較試験とメタアナリシスを批判的吟味してた)、実際にはお互い急がしすぎて、自然消滅しまった。
今年からポリクリが2週間ごとだったのが1週間ごとになって、論文を読む機会が前より減ったというので読んでます。参加者がいなくなるまで続けてみるかなー。
大学に戻って新鮮なことは、学生と接点があること。当たり前だけど、市中病院では臨床ばっかで、学生は就職活動にくる学生だけなので、1−2日の付き合い。
大学に戻って一番新鮮ってかショックなのはポリクリ生の相手です。当時、医学部5年生の時は、担当の先生がなかなかつかまらなくて、レポート書いてもチェックがもらえなかったり、病棟実習で放置だったり(もちろん、みっちり指導の科もあったり、放置されたほうが気楽だったり・・・)。自分の中ではあまり学生の時から成長してない?時間を実感しない?ので、自分が逆に教える立場になったことは、ちょっと笑える。
最近は論文の読み方をレクチャーする方針。
倉敷では研修医同士で論文を隔週で読んでましたが(PICOをたてて、ランダム化比較試験とメタアナリシスを批判的吟味してた)、実際にはお互い急がしすぎて、自然消滅しまった。
今年からポリクリが2週間ごとだったのが1週間ごとになって、論文を読む機会が前より減ったというので読んでます。参加者がいなくなるまで続けてみるかなー。
2012年11月9日金曜日
昨日の題材、川崎病へのステロイド
忘れないうちに・・・
学生用の論文は川崎病に対するステロイド投与について。
Efficacy of immunoglobulin plus prednisolone for prevention of coronary artery abnormalities in severe Kawasaki disease (RAISE study): a randomised, open-label, blinded-endpoints trial.
Kobayashi T, Lancet. 2012 Apr 28;379(9826):1613-20. PMID: 22405251
日本の多施設研究。質の高い、ランダム化比較試験。
こういう研究もできるんですね、当たり前ですけど。
結果としてはグロブリン療法にステロイド投与により川崎病(冠動脈 の異常が生じやすいスコア5-7の児)で冠動脈瘤発生率を23%か ら3%まで減らすという内容。
実際に論文だけよむと、効果はありそう。ただ、実際の臨床現場での行動を変え るとなると、今回の報告の追試がされて正しさが証明されて・・・という過程を経てから、普遍的になる。
もともと川崎病についてはステロイド単独投与で冠動脈瘤が増えた報告があるため、結構ステロイド投与に対する小児科医のアレルギーがあるのかな。小児科医と話すと世代間格差もある気がする。あくまで1つのRCTを読んだだけなので、判断は保留。でも効くな結構、
学生用の論文は川崎病に対するステロイド投与について。
Efficacy of immunoglobulin plus prednisolone for prevention of coronary artery abnormalities in severe Kawasaki disease (RAISE study): a randomised, open-label, blinded-endpoints trial.
Kobayashi T, Lancet. 2012 Apr 28;379(9826):1613-20. PMID: 22405251
日本の多施設研究。質の高い、ランダム化比較試験。
こういう研究もできるんですね、当たり前ですけど。
結果としてはグロブリン療法にステロイド投与により川崎病(冠動脈
実際に論文だけよむと、効果はありそう。ただ、実際の臨床現場での行動を変え
もともと川崎病についてはステロイド単独投与で冠動脈瘤が増えた報告があるため、結構ステロイド投与に対する小児科医のアレルギーがあるのかな。小児科医と話すと世代間格差もある気がする。あくまで1つのRCTを読んだだけなので、判断は保留。でも効くな結構、
2012年11月3日土曜日
2012年8月31日金曜日
2012年3月31日土曜日
続・幸せな気分になれる臨床研究のすすめ
日経メディカルでマッシー池田(池田正行)先生が「氾濫する思考停止のワナ」という連載をやってるのですが、ちょうど自分の話題を取り上げてくれました!(全然自分では知らなくて、Facebookで知人に教えてもらって初めて知りました。)
内容としては・・・(意訳しまくりですが)
●臨床研究は基礎研究に比べて、明日から臨床をかえうる。
●日常診療の疑問自体が研究テーマになる。お金も(あんまり)かからない
●自分の知見が論文という形になって、他の人に読まれ、
他の診療をかえた瞬間は楽しい!チョー楽しい!
つまり臨床研究楽しいからみんなやろーぜ!って内容です。
その一例として、僕と池田先生が一緒に臨床研究したのを数行コメントされてました。
ちなみに・・・池田先生とは大学5年の時に研究の相談をしました。当時、BLS(Basic life support, 一次救命処置)に関連するサークルに所属していて、一般人にBLSの普及などもやってました。ただ、学生が一般人にBLSなどの医学的なことを広めるのは、医師免許などの資格もないのにまずいんじゃない? という意見に触れることがありました。
個人的には、BLSをより多くの人に知ってもらった方がいいだろうと思っていたし、その形として医療者だけでは普及するのは不可能なので、準医療者の学生にその役割を担えればなと思ってて、また期待してくれる人もいました。
ただ、「学生はちゃんとBLSを教えているのか?」
という疑問はずっとあってモヤモヤとしていました。
そういう時に臨床研究は楽しいよっていう池田先生と出会い、もしかしてこの疑問は研究テーマになりうるんじゃないかと思い池田先生に相談したところ、「それは面白いね」ということになって、実際に医学生と医療従事者でどちらがBLSをちゃんと教えられるか、というランダム化比較試験を行うことになったのです。
ま、今となっては研究デザインなども稚拙でダメダメだなーと思いますが、おもろかったのでよいし、それ以降、臨床研究にはまってしまいましたけど。やっぱ研究おもろい。
・・・ちょっとコメントされただけで喜ぶところは小物っぽいな。嬉しいんですけどね。
内容としては・・・(意訳しまくりですが)
●臨床研究は基礎研究に比べて、明日から臨床をかえうる。
●日常診療の疑問自体が研究テーマになる。お金も(あんまり)かからない
●自分の知見が論文という形になって、他の人に読まれ、
他の診療をかえた瞬間は楽しい!チョー楽しい!
つまり臨床研究楽しいからみんなやろーぜ!って内容です。
その一例として、僕と池田先生が一緒に臨床研究したのを数行コメントされてました。
ちなみに・・・池田先生とは大学5年の時に研究の相談をしました。当時、BLS(Basic life support, 一次救命処置)に関連するサークルに所属していて、一般人にBLSの普及などもやってました。ただ、学生が一般人にBLSなどの医学的なことを広めるのは、医師免許などの資格もないのにまずいんじゃない? という意見に触れることがありました。
個人的には、BLSをより多くの人に知ってもらった方がいいだろうと思っていたし、その形として医療者だけでは普及するのは不可能なので、準医療者の学生にその役割を担えればなと思ってて、また期待してくれる人もいました。
ただ、「学生はちゃんとBLSを教えているのか?」
という疑問はずっとあってモヤモヤとしていました。
そういう時に臨床研究は楽しいよっていう池田先生と出会い、もしかしてこの疑問は研究テーマになりうるんじゃないかと思い池田先生に相談したところ、「それは面白いね」ということになって、実際に医学生と医療従事者でどちらがBLSをちゃんと教えられるか、というランダム化比較試験を行うことになったのです。
ま、今となっては研究デザインなども稚拙でダメダメだなーと思いますが、おもろかったのでよいし、それ以降、臨床研究にはまってしまいましたけど。やっぱ研究おもろい。
・・・ちょっとコメントされただけで喜ぶところは小物っぽいな。嬉しいんですけどね。
2012年3月24日土曜日
ARDSに対するエラスポール
学生との論文読む。今回の題材はARDSに対するエラスポールのメタアナリシス。
神戸大学の岩田健太郎先生がブログでも取り上げていて、学生もブログで取り上げられていたのを知っていたので、このメタアナリシスをとりあげました。
個人的には読みやすくて、学生に解説しやすい論文。
Effect of neutrophil elastase inhibitor (sivelestat sodium) in the treatment of acute lung injury (ALI) and acute respiratory distress syndrome (ARDS): a systematic review and meta-analysis.
Iwata K, et al. Intern Med. 2010;49(22):2423-32. PMID: 21088343
とりあえずまとめ。
28-30日以内の死亡率(日本の文献のみ):有意差なし(Relative risk 0.59, 95%CI 0.28~1.28)
28-30日以内の死亡率(海外の文献含む):有意差なし(Relative risk 0.95, 95%CI 0.72~1.26)
まとめると短期のPaO2/FiO2 ratioは改善するけど、
180日での死亡率はRelative risk 1.27, 95%CI 1.00~1.62)。
学生が「今日の治療指針」を持ってたので確認
2011年版
「好中球エラスターゼによる組織障害や血管透過性亢進の抑制を期待して使用される。市販後調査では、180日までの死亡率が優位に低下することが示されている。」
2012年版
「層別解析からも、発症早期で肺以外の臓器障害が少ない症例において有効であることが示されており、肺損傷発症のより早期からの使用が有効である。4臓器以上の多臓器障害を合併する患者および熱傷、外傷に伴う急性肺障害患者には投与しないことが望ましい。」
ちなみに岩田先生のブログは
「楽園はこちら側」
日本人は「足し算の誘惑」に弱いのか 医者の足し算体質、エラスポール、リスク評価能力を考える。
神戸大学の岩田健太郎先生がブログでも取り上げていて、学生もブログで取り上げられていたのを知っていたので、このメタアナリシスをとりあげました。
個人的には読みやすくて、学生に解説しやすい論文。
Effect of neutrophil elastase inhibitor (sivelestat sodium) in the treatment of acute lung injury (ALI) and acute respiratory distress syndrome (ARDS): a systematic review and meta-analysis.
Iwata K, et al. Intern Med. 2010;49(22):2423-32. PMID: 21088343
とりあえずまとめ。
28-30日以内の死亡率(日本の文献のみ):有意差なし(Relative risk 0.59, 95%CI 0.28~1.28)
28-30日以内の死亡率(海外の文献含む):有意差なし(Relative risk 0.95, 95%CI 0.72~1.26)
まとめると短期のPaO2/FiO2 ratioは改善するけど、
180日での死亡率はRelative risk 1.27, 95%CI 1.00~1.62)。
学生が「今日の治療指針」を持ってたので確認
2011年版
「好中球エラスターゼによる組織障害や血管透過性亢進の抑制を期待して使用される。市販後調査では、180日までの死亡率が優位に低下することが示されている。」
2012年版
「層別解析からも、発症早期で肺以外の臓器障害が少ない症例において有効であることが示されており、肺損傷発症のより早期からの使用が有効である。4臓器以上の多臓器障害を合併する患者および熱傷、外傷に伴う急性肺障害患者には投与しないことが望ましい。」
ちなみに岩田先生のブログは
「楽園はこちら側」
日本人は「足し算の誘惑」に弱いのか 医者の足し算体質、エラスポール、リスク評価能力を考える。
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