2013年6月7日金曜日

機内での急変

MRICの記事に「お客様の中にお医者様はいらっしゃいますか?」と呼びかけられた時の対応が記載されていた。道路上で倒れた人の対応はあったけど、まだ飛行機の出張は少ないので機内での対応はなし。



あの訴訟大国アメリカで、しかも薬も器具も十分でない機内ではミスが起きやすく、それこそ多額の賠償を覚悟しなくてはならないだろうに、なぜアメリカ人は 人助けに自ら手を挙げて、日本人ドクターはヒーローになるチャンスをみすみす見逃してしまうのか。宗教的な背景やリスクを負うことへの抵抗感の多寡など理 由はいろいろあるだろうけど、想像するに日本人ドクターは専門外には極めて自信がない、ということではないかな。MRICより

学生時代にBLS/ACLSを普及?する学生団体にいたこともあって、もし急変患者に遭遇したらどうするか?ってのは学生同士の話題になった。法律上の問題では、よく引用されるのが「よきソマリア人の法
「災難に遭ったり急病になったりした人など(窮地の人)を救うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人ができることをしたのなら、たとえ失敗してもその結果につき責任を問われない」という趣旨の法律みたいです。
アメリカやカナダでは法としてある一方で、日本では同様の法がはっきりしていないので、立法化を目指した方がいいんじゃないかって話題があるんですね、wikipedia的に。

患者にとって高度な医療技術も必要だが、それと同じくらい「いざという時」にササッと診てくれる、いわゆる家庭医もやはり必要なんだと思う。因みに、過去 の医療賠償事案で、機内や緊急時の応急治療だけで訴訟になったというケースを、アメリカでも日本でも私は知らない。やはり「助けてもらった」という意識が あれば、どんな国でも訴えることなどしないのだ。(MRICより

MRICの記事では、訴訟のケースがないとありましたが、Wikipedia読むと、判例はないようですが、紛争になった件はあるようです。そういう事例が一つでもあれば、急変時に手をあげようとする人は減るよなー。

ちなみにNEJMに機内発生の急変に関する論文がありますが、600 flightに1回程度あるようです。どういう急変が多いのかとかも書いてるみたいなので、一度読んでみたいな・・・。



機内などで急変が生じた場合に手をあげる医療者が増えればいいと思う。でも、現状だと手をあげない。じゃあどういうプロセスを経れば改善できるのか?は気になるけど、この現状を改善したいと思う、改善できる立場の人って少なそうだな。
東京出張が年2回で往復4flight/year。30年医者やっても0.2回しか遭遇しないのか・・・。


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