2013年6月4日火曜日

VTTQを用いたリンパ節の診断

頸部のリンパ節が腫脹、という主訴で来院される患者はたくさんいます。
その多くは風邪などの自然治癒する疾患によるリンパ節腫脹ですが、時に癌などによる転移リンパ節が生じることがあります。
一般的に頸部リンパ節の評価はエコーなどのモダリティを使用して行われ、特に頸部リンパ節転移を強く疑う場合、穿刺吸引細胞診(Fine Needle Aspiration, FNA)や開放生検で組織をとって診断が行われます。

で、従来のエコーの機能に、最近、堅さを測るオプションがついたらしい。。。
(と聞いたのが多分2012年8月ぐらい)
 

今回、勤務先で使用できたのはSEIMENS社のもの。従来、硬さを測るエラストグラフィーは、エコープローベを用手的に動かして組織を圧迫して、周囲とのひずみを利用して硬さを推定する形。



新しいデバイスは、Acoustic radiation force impulseという短波?(画像のオレンジのやつ)をターゲットに向けて放ち、そのターゲットからでた横波をトラッキングして、その横波の早さで硬さを推測するらしい。VTTQ(Virtual Touch Tissue Quantification)というシステム。
*詳細は別サイトの方がいいと思います。それかSEIMENS社参照

肝臓や乳腺ではすでに報告が散在してたのですが、頸部リンパ節の評価にはなかったので、とりあえずやっとくかーとやってみました。
 
Acoustic radiation force impulse imaging for reactive and malignant/metastatic cervical lymph nodes.
Ultrasound in Medicine and Biology. Epub 2013 Apr 3.

Fujiwara T, Tomokuni J, Iwanaga K, Ooba S, Haji T. PMID:23562011



結果としてはArea under ROC curveも0.923 (95% CI, 0.842–1.000)とまあまあ。IRBの関係でProspective data collectに厳密にはならなかったのが、ちょっとネックですか、、、
機械が高いのですぐに普及とはならないでしょうが、超音波機械の進歩はすごいです。あと「Ultrasound in Medicine and Biology」のImpact factorが耳鼻科関連より高かったのは、母集団の関係で仕方ないですけど、ちょっとショックでした。



0 件のコメント: